ヒグマ春夫/Higuma Haruo's visual installation

ヒグマ春夫の映像インスタレーション/映像作品“MEKURIMEKU“
会期・2013年3月6日〜29日開廊・10:00-17:00
会場・A・corns/文京区小石川2-21-5 株式会社アルス本社1F

ヒグマ春夫/Higuma HARUO(映像作家・美術家)

インスタレーションを考える時、空間の特色・特質を探り出すことは重要な要素になると考えている。A・Corns Galleryという画廊空間に何回か訪れたとき、空間にはモノが雑然と置いてあった。次の時には展示会が開かれていて、ドローイングや衣類がマネキンに展示してあった。何体ものマネキンは作品以上に輝いていた。マネキンは作家が持ち込んだものと思っていた。このマネキンはと訪ねてみると、画廊の系列会社のもで使ってもいいという返事が返ってきた。画廊空間は四角形ではなく変形したT字型をしている。マネキンを使おう。映像に広がりを持たせよう。毎日異 なった空間と時間を体感できる展開を考えてみよう。インスタレーションは、ものではなく空間と時間そのものだ。映像は時間と空間を束縛する。だが映像イン スタレーションは、時間と空間を解放し五感を覚醒する。
映像インスタレーションは、ビデオプロジェクター2台、DVDプレイヤー1台、分配機1台、マネキン5体、CDプレイヤー1台、蚊屋1個、透過性のスクリーン8枚で構成した。 コラボレーションでは、蚊屋は自由に使ってよしとし、他のものはできるだけ触れないことにした。またコラボレーションでは、ビジュアルサンプラ1台、スイッチャー1台、ミキサー1台を使い、パフォーマーの動きを察知してプロジェクター1台に映しだした。 パフォーマーにとっては、幾つかの規制があり自由な表現ではなかったかも知れないがあえて規制のあるなかでの表現を試みたいと考えた。

Placeholder image

installation “MEKURIMEKU“ by HIGUMA HARUO


installation “MEKURIMEKU“ 2013



この時期になると震災のことを意識する。だからといってその想いを直接的に映像化したくはない。今回投影した映像はそんな念いから「めくりめく」とした。最近撮った映像やずっと前に撮った映像がページをめくりめくように現れる。その映像の向こうにもう一つのアニメーションが重なっている。そんな「めくりめ く」は48分のDVDになっている。
映像インスタレーションは、観る位置によって見え方が異なる。その異なりを撮った。200枚の写真を使って平面化してみた。ACKid 2013に展示◎サイズ:841mm × 594 mm



第1弾 連鎖する日常/あるいは非日常の6日間・展
Collaborate with installations

会場・A・corns 10:00〜17:00
<プログラム>
3月6日(水)奥野美和(ダンサー・振付家)
3月7日(木)加藤チャーリー千晴(音楽)
3月8日(金)秦真紀子(ダンサー)
3月11日(月)森下こうえん(身体表現)
3月12日(火)K.a.n.a(Painter, art performer)
3月13日(水)関谷泉(身体表現)
3月14日(木)石井則仁(演出家・振付家・イベントオーガナイザー)
3月15日(金)若尾伊佐子(身体表現)
3月18日(月)中里広太(サウンドデザイン)
3月19日(火)千葉瑠依子 performance
3月21日(木)小椎尾久美子(身体表現)
3月22日(金)宮保恵(ダンサー)
3月25日(月)風人(ボイス)
3月26日(火)平野晶広(身体表現)
3月27日(水)中島彰宏(身体表現)
3月28日(木)慶野由利子(Computer Music)
3月29日(金)渡邊るみ(ストーリーテラー/身体表現)
撮影:坂田洋一


ヒグマ春夫・インスタレーション//3月6日(水)奥野美和(ダンサー・振付家)//3月7日(木)加藤チャーリー千晴(音楽)


ヒグマ春夫/Higuma Haruo(映像作家・美術家・パフォーマンスアーティスト)

2004年 水の記憶・ヒグマ春夫の映像試論・川崎市岡本太郎美術館
2008年「DOMANI・明日」展(国立新美術館・東京)
2006.'09年 大地の芸術祭・越後妻有アートトリエンナーレ(新潟)
2012年 波浮港国際現代美術展(伊豆大島)
2013年 映像パラダイムシフト継続・キッド・アイラック.アート・ホール)/ACKid 2013企画

奥野美和/Miwa Okuno ダンサー・振付家

1983年神奈川県出身。
3歳からモダンダンスを始める。
2007年よりカンパニーLeni-Bassoに参加し国内外で活動後、2009年よりソロ活動を開始。 2013年横浜ダンスコレクションEXにて「ハイライト オブ ディクライン」を上演し「若手振付家のための在日フランス大使館賞」「MASDANZA賞」を受賞。
2013年下半期はフランスを中心にヨーロッパへ渡り作品制作と発表をする予定。
自ら実写映像の編集・構成を手掛け、身体・映像・音などを”一素材”として扱い総合的な空間インスタレーション創りを目指す。

加藤チャーリー千晴 (鍵盤ハーモニカ)

東京生まれ。子供の時からピアノの始め、それがズルズルと続き国立音大に入るまでになる。卒業後は様々な芝居やダンスの音楽を手掛ける。現在は八丁堀のフリースペース、七針でIn the Mists なるクラシック、現代音楽、即興をクロスオーバーさせた企画を定期的に主催している。


3月8日(金)秦真紀子(ダンサー)//3月11日(月)森下こうえん(身体表現)//3月12日(火)K.a.n.a(Painter, art performer)


秦真紀子(ダンサー)

ふわふわ、うにょうにょ、ぐにゅぐにゅ・・・やわらかい身体と独自の言葉で擬音語ダンスを展開中。
丁寧に繊細に動きを淡々と静かに積み上げる、透明感のあるダンスを目指す。
小空間やギャラリーでのソロ公演の他、集団即興パフォーマンス、音楽・映像・詩人など様々なジャンルの表現者とのコラボにも積極的に参加。
2010年、ギターの吉本裕美子と共同で公演企画を行うtamatoy project開始。

森下こうえん(身体表現)

演劇を経て身体パフォーマス。自分を含めた『人間』とその『意識』が気にかかり87年より演劇。肉と骨と影を求めて今世紀より身体パフォーマンス。意識を通 した身体、身体を通した意識、空間、歪み、バランス、風、動くということと『在る』ということ何かに「そぐう」ということと「異化」と「同調」・・・・幼 少期より見据えている空気中に浮かぶ“気配”みたいなものがずっと気になっている。

K.a.n.a(Painter, art performer)

青山学院女子短期大学芸術学科卒業。油彩や水彩などの絵画作品制作を続ける。
その後、空間からインスピレーションを得て、踊りながら絵を描くダンスペイントや、身体表現パフォーマンスを開始。


3月13日(水)関谷泉(身体表現)//3月14日(木)石井則仁(演出家・振付家・イベントオーガナイザー)//3月15日(金)若尾伊佐子(身体表現)


関谷泉(身体表現)

NIPAFを見て2007年くらいからパフォーマンス・アートを試み始める。路上アート研究会主催。新宿、中野、吉祥寺駅周辺で「アスファルトに大根」企画、両国、品川、新木場で「夜の散歩」を参加者とともに行う。「音を聞きながらどろどろおでんを食べる会」「大晦日の音を募集してとろとろおかゆを食べる会」など宴会企画も好き。屋内では「東京湾の河童の皿の水についてのお話」、「marriage考」など言葉を使った表現をしています。

石井則仁/Norihito Ishii 演出家・振付家・舞踊家・イベントオーガナイザー

1984年生まれ、東京都出身。
17歳からStreet Danceを踊り始める。
様々なDance Contestにて入賞。
数々のアーティストのBack DancerやCM・Theme Park Dancerなどで活躍。
2006年、表現の自由を求めて活動場所を舞台空間へ移行。
踊る身体を辻本知彦に師事。
作品を作る上で必要なことを関わってきたDanceCompanyの舞台で経験。
過去にNomade~s・BABY-Q・大橋可也&ダンサーズ・辻本知彦・大駱駝艦・黒藤院など様々なDance Companyの作品に参加する傍ら、蜷川幸雄や宮本亜門の演劇作品にも出演。
2007年からソロ活動を開始し、現代社会に生きる肉体とそこに宿る狂気とエロスに強く惹かれ、現代社会の異常さをコンセプトに作品を制作。
代表作として『タナトスの声を聞け!!』『SAMON』などがある。 
2008年から様々な写真家とセッションし始める。
写真家 平澤最勝氏との共同制作の写真がアサヒカメラ月例コンテストにて大賞を受賞。
2012年 写真家 冨田寿一郎氏のと共同制作作品「mement mori」がEPSON Galleryにて展示を行う。
2010年から活動場所を舞踏 山海塾に拠点を移し、「TOBARI」「金柑少年」「TOKI」「KAGEMI」「UTSUSHI」「UMUSUNA」の作品に出演。
2011年からEvent Organizerとしても活動し始め、様々な企画やEventを主催。
2012年 若手表現者の育成やArtist・Creatorを支援するCuretion Company DEVIATE.CO設立。
現在はWorkshopやEventを主催しつつ、他ジャンルのArtist・Creatorと作品を共同製作しながら国内外にて活動中。

若尾伊佐子(身体表現)

2000よりソロダンスシリーズ「サ・カ・マ・ル・ン・ド」を始める。
2002の3回目より、無音・即興で踊ることを試みている。
ソロ自主公演の他、美術、映像、音楽とのコラボレーションを劇場、ギャラリー、ライブハウス、野外などで多数行なう。東京を中心に活動しているが、会津、川崎、ソウル、フランスでのパフォーマンスフェスティバルなどにも参加している。


3月18日(月)中里広太(サウンドデザイン)//3月19日(火)千葉瑠依子 performance//3月21日(木)小椎尾久美子(身体表現)


中里広太(サウンドデザイン)

1983年仙台市生まれ。宮城教育大学で学ぶ。
2007年身体表現と映像作家ヒグマ春夫氏との映像がコラボした作品へ、音響として参加した。それ以来、即興で表現することの、楽しさ難しさを体験する ことで自分の道を模索し始める。その後、ダンス・演劇・映像などとのコラボレーション舞台を数多く経験する。また最近では、ピアノ・サックス・パーカッ ションなど、音楽家とのライブも行っている。
2008年 鎌倉・円覚寺境内(水と空気の変容展)参加 
2009年 越後妻有アートトリエンナーレ2009 参加
2010年 会津漆の芸術祭 参加÷登米アートトリエンナーレ 参加
2011年 2011アート@つちざわ  参加

千葉瑠依子 performance

1985 年岩手県生まれ。
5才からモダンダンスを始め、踊らないと元気がでないからだになる。学校教育の中でダンスを生かした表現教育をしたいと考え宮城教育大学に進学。同学にて里見まり子氏、榊原光裕氏に出会い、身体表現の世界に魅了され舞進中。現在は、ソロの作品づくりの他に、即興パフォーマンス集団すんぷちょのメンバーとして、ダンスワークショップの企画・運営や出前パフォーマンスなどを作業所や街中で行う。 
将来の夢は唄っておどれる遊び心いっぱいのおばあちゃんになること。

小椎尾久美子(身体表現)

博多生まれ。大阪、神奈川育ち。
桐朋学園大学短期大学部芸術科演劇専攻卒。
高校時代より踊りはじめる。
ジャズダンスを庭野章子、モダンバレエを吉沢恵、コンテンポラリーダンスを伊藤直子に師事。
現在はパフォーマンスユニット Bebe⇔ビビ メンバー。
屋内・野外・国内・国外問わず、主にダンスを用いた身体表現を続ける。
近年では、アジア8ヶ国のアーティストによるコラボレーション企画 Asia meets Asia・アジアツアーに参加。



3月22日(金)宮保恵(ダンサー)//3月25日(月)風人(ボイス)//3月26日(火)平野晶広(身体表現)


宮保恵(ダンサー)

国立音大在学中より踊り始める。05年創作活動開始。
21フェス、ダンスシード等で作品を発表。
現在、ソロダンスを中心に、即興でも美術館・ギャラリー・カフェなど、あちこちに出没中。
http://megumim.exblog.jp

風人(ボイス)

パンクに憧れてハードコアを志すも道を踏み外しオルタナ・ジャンクへ。

平野晶広(身体表現)

1967年東京生まれ。2012年から大阪暮らし。
小林嵯峨に師事し1995年から1999年までの5年間、舞踏を学び、その間の主要作品に参加。1998年頃からソロ活動を開始。屋内屋外・国内海外を問わずあらゆるエリアで、ダンスパフォーマンスを展開中。おうし座のO型。ラッキーカラーは黒。


3月27日(水)中島彰宏(身体表現)//3月28日(木)慶野由利子(Computer Music)//3月29日(金)渡邊るみ(ストーリーテラー/身体表現)


中島彰宏/NAKAJIMA Akihiro(身体表現)

1973年横浜に生まれる。多摩美術大学在学中より演劇を始め、劇団DA・Mに参加し活 動を続けている。
“アジア・ミーツ・アジア”では、アジア諸地域の参加者とのコラボレーション作業 を継続し、ソロ公演「Zatoichi抄」、アーティストとは「断続的対話」「Earnest Struggle with Buddha」も行っている。
ヒグマ春夫さんの映像に触れるのは、今回が2回目です。 昨年の劇団公演に映像参加して頂いた際に感じたこと、それが出発点だったと思います。 投影された映像が身体に映ること、身体の部分部分、そして影、そのことに興味を感じました。
今回終えて思ったことは「普段私がやっていることに捉われてはいけない」ということです。 逆に言えば、自分自身が自由になり試される場を、貰えたと思います。
観客は僅かでしたが、その分私にとっては、とても大切な時間となりました。
有難うございました。 ・・・中島彰宏

慶野由利子(Computer Music)

幼少より、作曲家であった母からピアノと作曲を学ぶ。13歳から原博に作曲を師事。東京都立芸術高等学校音楽科(作曲専攻)を経て東京藝術大学音楽学部楽理科(民族音楽学専攻) 卒。在学中は、NHK出版「日本民謡大観」の元となった沖縄民謡の採集・採譜・分析研究、初の日本語による伽その後もジャンルに囚われない音作りで独自の創作活動を展開中。

渡邊るみ(ストーリーテラー/身体表現)

主に小劇場での演劇活動を経て劇団俳優座研究所に入る。その後約1年間ニナガワ・スタジオに在籍。
2009年よりグアテマラ出身の師匠Abel Solaresの元で身体表現を学ぶ。2011年には浜松路上演劇祭にて先輩と2人で身体表現による作品「暗闇から生まれて”I was born in Black”」を発表。ベネズエラ、コロンビアではストーリーテラーのフェスティバルに参加し「羅生門」、「小野小町」、その他昔話などを身体表現を交えて発表。2012年よりソロパフォーマンスを開始。幼稚園で昔話を語ったり、イベントで怪談話をしたり徐々に活動の場を広げよう・・・としているところ。
いわゆる演劇ではなく何にも囚われずただその時に創りたいものを作品にしている。身体はその一部でしかない。声や身体や空気や光や音・・・それらをパッチワークのように繋げて、あるいは重ねて作品を描いていく。作家が言葉を紡ぐように、画家が絵を描くように、私は私のやり方で作品を創っていきたい。
初の映像とのコラボレーション。連日様々なアーティストたちが参加するのを観に行ったりフェースブックで観たりするうちに自分にできる関わり方というのを改めて考えるいい機会になりました。わたしはいわゆる”女優”では ない代わりに”ダンサー”でもありません。カテゴリーは重要ではないけれど、じゃあなにをわたしは持っているんだろう?それはやはりストーリーを語ること。身体を使って。けれど身体は創造の一部でしかありません。が、もちろん大事な一部です。
今回のように映像がある場合もそれと繋がって一体となって、けれどそれぞれ独立した存在感がある。
その瞬間、瞬間にストーリーを感じ取り、語っていくことの面白さを知ることができました。
観に来てくださった皆様、関わってくださった皆様、そしてこんなに面白い企画をし、参加させてくださったヒグマさんに大感謝!!ありがとうございました!!!

Placeholder image

チラシ表面


Placeholder image

チラシ裏面



contact NEXT