"Water Moon 2004.9" by Haruo Higuma from September 15 to October 23 2004 at Akbank Culture Art Center-Istanbul Turkey



「Water Moon 2004.9」は、2004年2月〜4月にかけて川崎市岡本太郎美術館で発表した「Water Moon 1999-2004」をイスタンブール用に再構築したものです。

 今回の構成は、天井から落ちる水滴、28コのボトルの水、28枚の写真、月の映像、水の映像、月と水をミックスしたイメージ映像からなっています。


 天井からの落ちる水はイスタンブールの「チェシュメ」の水です。チェシュメとは水くみ場、水のみ場、人工の泉のことです。以前は街の中に点在していたようですが現在はあまりありません。その水を使いました。

       
 28コのボトルの水は、ボスポラス海峡の海水をくんできました。ボスポラス海峡はアジアとヨーロッパの境にあります。


 28枚の写真は一人の女性の行動を撮りました。一人の女性を月に見立てています。ロケーションは大分県の大山町とその周辺です。写真の上にボスポラス海峡の海水の入ったビンを置きました。月と汐の満ち引きの関係を表しています。


 月の映像は、月が新月から満月へ、そして再び満月から新月に移行していく循環を表しています。


 水の映像は、2003年、イスタンブールの海を撮影したものをコンピュータ処理して使いました。


 水と月をイメージした映像は、πの旋律を表しています。音は、円周率:3.1415926535837932384626・・・まだまだ永遠に続きますが、この数字を1-ド、2-レ、3-ミと音に変換したものです。


 「Water Moon 2004.9」は、「円・円環」です。円にはエネルギーを収集する力があると信じているからです。コンパスで描かれた「円」は、見た目には「円」に見えま すが、正確には円ではありません。植物の葉っぱに落とされた水滴は表面張力で円くなっています。新月の月は満月に向うに従って円くなって行きます。円い形 には不思議な魅力が漂っています。この不思議感は音楽も生み出しています。π=3.1415926535837932384626・・まだまだ永遠に続き ますが、この数字を1-ド、2-レ、3-ミと音に変換すると和声進行の曲になっているのです。輪廻転生も円環・循環から導きだされたものです。


  
Water Moon 2004.9
Water Moon 2004.9
Water Moon 2004.9
Water Moon 2004.9



Water Moon 2004.9






チェシュメ











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ボスポラス海峡の海水




ボスポラス海峡の海水