ヒグマ春夫の映像パラダイムシフトVol.88 my portfolio


映像パラダイムシフト/コロナ禍の対応

即興ダンス・コラボレーション
日程 10/14日(水)ダンス・高宮梢
   10/15日(木)ダンス・増田明日未
  映像インスタレーション・ヒグマ春夫 音楽・曽我傑 照明・早川誠司
時間 開演19:30 開場30分前(コロナ感染予防のため「完全予約制」です。
会場 アトリエ第Q藝術ホール
157ー0066 東京都世田谷区成城2-38-16( 小田急線・成城学園前駅より徒歩2分)
アトリエ第Q藝術・予約/tel;03-6874-7739/ Mail: q.art.seijo@gmail.com

公演は配信も行います!無料でご覧いただけますが、応援チケットを購入していだだけると助かります。応援チケット費は運営費に当てられます。
【ライブストリーミング配信】
配信チャンネルサイト
配信アドレス 近日公開
応援チケットサイト
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※COVID-19感染拡大状況により限定人数が変わることがございます。
●スタッフおよびお客様はマスクの着用をお願いします。
●入口でアルコール消毒をお願いします。
●入場時、検温をします。37.5°以上の方は入場をお断りする場合がございます。ご了承ください。
●時間により、換気タイムを設けることがあります。
●入場制限をいたします。

記録

10/14日(水)ダンス・高宮梢 Placeholder image 公演記録/撮影・松本和幸
Placeholder image 配信記録

北里義之・評

10月15日(木)成城学園前のアトリエ第Q藝術にて、2デイズ公演された<ヒグマ春夫の映像パラダイムシフトVol.88>のうち、ダンサーの増田明日未さんをゲストに迎えた2日目の公演を観劇。明大前キッドアイラック・アートホール時代から継続してきた本シリーズは、美術家のヒグマさんが100回達成を目標に自身のライフワークと位置づける長期プログラムで、曽我傑さんが音響提供で、早川誠司さんが照明パフォーマンスで参加されています。ライヴ・セッションにおける映像インスタレーションをひとつの行為としておこない、テクノロジーの発展とともに日進月歩で刷新されていく映像体験を通して、私たちにとって映像とはなにかを問うアート・パフォーマンスですが、コロナ禍におけるライブの同時映像配信という新たな発信スタイルが、視聴環境を大きく変化させることの影響を、この映像プロジェクトほど直接的に受ける公演はないように思います。ありようは公演のたびに別の作品が2つ生まれるといってよく、ライヴの最中に即興的に編集され同時配信されていく映像から、ライヴ公演そのものを想像することも、またライヴの最中にパフォーマンスを見ながら、いまどのような映像配信がされているかを想像することも不可能です(アーカイヴ映像はそのような条件のもとにあることを承知でご覧ください)。ダンスはもちろん演劇や音楽の他ジャンルとも共演し、そのたびごとに多様なスタイルを模索/展開してきた<映像パラダイムシフト>ですが、スペクタクルに展開して流行のプロジェクション・マッピングとは性格を異にするその実験性は、個人の身体にフォーカスしながらパラダイムシフトの可能性を模索するところにあり、スクリーンを皮膜化したり視線を複数化したりと、通常は考えられることのない映像そのものの身体性を感覚可能にするインスタレーションを、行為の核としてきた点に最大の特徴があると思います。この意味では、カンパニー公演『風と毛穴 器官と音』(2019年2月、座・高円寺2)などで奥野美和さんが開こうとしているダンス=身体領域に、映像芸術の方面からアプローチしているといえるように思います。同時配信という新しいスタイルは、この身体の対話がくりひろげられる空間を大きく改変することになりました。。

【ヒグマ春夫の映像パラダイムシフトVol.88 with 増田明日未】承前。ライヴの同時配信がないコロナ以前の時期にも、記録映像は撮影されていました。ダイジェスト版に編集された映像が、公演後のある時点で公開される機会も多かったのですが、今回の同時配信はそれらのケースとは意味も性格もまったく違い、ちょうど演劇から映画にメディアが移行するようにして映像がインスタレーション空間を離れ、作家にとってはより自由度の高い映像作品を、ネット上で即興的に創造していく機会を提供するものとなっています。これもまた映像パラダイムシフトの新段階といえるものでしょう。いきおい映像の身体性を感覚可能にするというテーマは後景に退き、ネット上のアーカイヴ映像では、身体の多層性を織り合わせたフラットな空間が出現することになりました。身体の隔離をテーマに踊られた増田明日未さんは、大きな透明ビニールシートに絡みながらのパフォーマンスを展開、ビニールを床に敷いてピクニックするように正座したり、全身をラップするように包みこんで床に横になったり、ビニールを片手に持って突き出し人に見立てていっしょに社交ダンスをしたり、上手コーナーから走りこんではシート上にダイヴする行為をくりかえしたりして踊られました。それ以外にも、ビニールから離れて踊ったり、上手端に設置されたカメラに向かって、これもコロナ下での会話禁止を逆手にとり、スケッチブックにマジックでメッセージを書きつけてはカメラに掲げてみせる場面──「何に」「見えましたか」「いつも」「何をどう」「見ているのでしょう」「今日は」「こわがらずに」「どうか私たちを」「見てください」と書いた最後に、うんうんとうなづく。文字を書いた画用紙は下手前の床に並べられました。──などを作られていました。複数のスクリーンが吊りさがる空間を、映像を縫うように回遊しながら、流れを途切らせることのないダンス。なかでもスクリーンの脇に出てその端に触れ、映像を支える被膜の身体性を感じさせた終盤近くの場面や、スクリーンの背後にすわる生身のダンサーとその前に投影されるライヴイメージのダンサーを別角度でとらえたカメラがオーバーラップ、キュビズム効果を醸し出した場面などが印象的でした。

10/15日(木)ダンス・増田明日未 Placeholder image 配信記録
Placeholder image 公演記録


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