Jointed Form/Collaboration with video, dance, music and sculpture

LIG INC.


“Three souls” Visual:Haruo Higuma

映像とダンスパフォーマンスの夕べ

ヒグマ春夫(映像パフォーマンス)、小松睦(ダンス)、高橋真帆(ダンス)、田路紅瑠美(ダンス)

5月13日(土)午後6時30分スタート 観覧料無料(R293美術展2017・初日)
佐野市役所本庁舎南側モニュメント周辺

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小松睦/KOMATSU Mutsumi
宮城県気仙沼市出身。幼少よりクラシックバレエを学ぶ。日本大学藝術学部演劇学科卒業。在学中より加藤みや子に師事。2014年より平原慎太郎主宰OrganWorksに所属し国内外の作品に出演する。また、自作品へも力を入れる他、MV出演や音楽家とのコラボレーション等活動の幅を広げている。ヒグマ春夫による『フラクタルライン・海辺の知覚』シリーズへこれまでにダンサーとして関わり、作品制作等今後の展開を図る。

田路紅瑠美/TOJI Kurumi
17歳より加藤みや子に師事。日本大学芸術学部演劇学科入学時より創作活動を始める。卒業時に学部長賞を受賞、以降国内外で踊る。 自作のほか東野祥子、珍しいキノコ舞踊団、白神ももこ、寺杣彩、しりあがり寿、水曜日のカンパネラ等の作品に出演。2015年よりANTIBODIES Collectiveのメンバーとして活動中。

高橋真帆/TAKAHASHI Maho
3歳から実家である栃木市岩舟のスタジオにてバレエを、10歳よりコンテンポラリージャズを学ぶ。高校卒業後東京にてバレエに打ち込む。2012年単身渡英、2013年スイスオペラ座付属バレエ学校に一年留学。2014年帰国後 現在は平原慎太郎率いるOrganWorksに所属、活動中。

ヒグマ春夫/HIGUMA Haruo(Artist)
'90年度文化庁派遣芸術家在外研修員。その成果発表が'09年国立新美術館で「DOMANI・明日」展として開催され映像インスタレーションと映像パフォーマンスを行う。'02年映像を組込んだインスタレーション「DIFFERNCE」で、第5回岡本太郎記念芸術大賞展で優秀賞を受賞。「フラクタルライン・海辺の知覚」シリーズ継続中。

吉本義人/YOSHIMOTO Yoshihito
1946 東京に生まれる
1969 東京藝術大学彫刻科卒業
2009 「Art Session TSUKUBA」 つくば美術館 2011
2011 佐野市文化会館 個展/栃木
2012 天王洲セントラルタワー 個展/東京
   「The Mono Show」 M50 創意空間・半島1919/上海
   「館林ジャンクション-中央関東の現代美術」 群馬県立館林美術館
2013 「みる、ふれる、きくアート」 栃木県立美術館

早川誠司/HAYAKAWA Seiji
1996年〜2016年まで明大前のキッド・アイラック・アート・ホール&ギャラリーに勤務し最後のチーフディレクターを務める。舞台や美術展の裏方、ステージ照明も数多く手がける。
2017年からはフリーで活動も開始。新たなプロジェクト、成城学園前に『アトリエ第Q芸術』設立/仕掛人。様々な角度から物事を見て、光をあてる仕事がしたいと思います。今、大事な事は何なのか?新たなる表現の場を求めて、愛とは何かを問うてます。いききる。ほどほど。うつくしむ。好きな言葉です。


吉 本 義 人 彫刻展
2012年8月13日[月]~9月20日[木] 8:30~20:00【最終日は16:00まで(土日祝日休み)】
8月24日[金]18:00
オープニング・レセプション&映像ダンスパフォーマンス・長岡ゆり×ヒグマ春夫
会場:天王洲セントラルタワー1F アートホール
   140-0002東京都品川区東品川2-2-24 電話:03-5462-8811 協力:中川特殊鋼株式会社

吉本義人彫刻展 映像ダンスパフォーマンス 2012/08/24 Placeholder image
宮田徹也(日本近代美術思想史研究)

天王洲セントラルタワー1Fアートホールに、吉本義人の《記憶としての構造》(265H×360W×340Dcm/ステンレススチール/2009年)が出 現した。近代的な建築物内に、ギリシャのアクロポリス的な形態の彫刻が漲る。そしてこの彫刻が人肌のような有機的なディテールを携えていることに気が付 く。

《三つの楕円》(320H×690W×690Dcm/ステンレススチール/2012年)は、野外展示場に鎮座する。まるで初めからここに存在しているかの如く気配を消し、ケヤキ一本を包み込んで風景と同化している。パフォーマンスは、ここで繰り広げられた。

18時、吉本が挨拶と共に2009年に制作された《三つの楕円》は今回の展示空間により高さを50cm付け足したと作品を解説し、日が落ちる時間帯にパフォーマンスを行いたいから、もう少し待ってくれと言う。

確かに良く晴れた真夏の東京の18時には、まだ日がよく伸びている。ヒグマ春夫は既に、客席のパラソルの内側に二台のプロジェクターを用いて暗い深海に泳 ぐ10匹ほどの白い原始生物に見えるCGを投影し、2003年にヒグマが録音した《10万年前の氷が弾ける音》を流している。

プラスティックが弾け飛ぶような音が微かに響き渡る中、白い着物姿の長岡ゆりは作品と川の間に立ち尽くし、18時15分、公演が始まる。長岡の踵が、膝が、腰が、捩れていく。強く吹く風を一歩一歩切り裂いて、作品に向かって歩いていくのだ。

長岡の右手が自らを先導する。この5m程の距離が、果てしない荒野に見えてならない。長岡は作品に背を向け、両手を広げながらも歩を止めない。右手にはいつしか音叉が握られている。

パラソル内のヒグマの映像は、たゆたう白い線が横に並んでは消失するCGに変化する。長岡は作品中央に蹲り、立ち上がり、音叉を作品にぶつけていく。映像は原始生物的CGに戻る。

長岡は揺らめきながら作品を通過する。噴水と作品の間に佇みながら、全身から発する視線で捉えた作品を自らの体の中へ織り込んで行く。ヒグマの映像の原始生物が、赤、青、黄に染まっていく。

長岡は歌いつつ、肩から生み出した潮流で全身に巻き込んでいく。ヒグマの映像の原始生物は溶けつつも高速に動き出し、ドットというよりも原子体に変貌する。長岡が噴水の縁をなぞる動きに呼応するように、ヒグマの映像は水銀が表面張力を起こすようなCGへ変化する。

CGは水銀にも、赤と黄緑と白の炎のようにも見える。やがて映像は大量の水の原子的粒のCGが波のモノクロ実写映像と融合し、赤と青という原色が生み出されていく。長岡は水を完全に支配し、噴水に仏像のように腰をかける。

映像は球体に矩形が重なっては消滅するCGから、赤青黄の玉が飛び交うCGへと変化する。噴水に立ち上がる長岡に、ヒグマは一台のプロジェクターを向ける。まだ完全な闇は訪れていない。映像が見えるか見えないかなどは、ヒグマにとって問題ではないのだ。

長岡は噴水から離れ再び作品へ向かい、ヒノキに頭、側面、上半身、背中と当てる。ヒグマは長岡の移動をプロジェクターの光で追う。映像は白黒の斑なCGとなる。長岡はヒノキを離れ、音叉を鳴らして耳に当てながら歩み続ける。

CGは鈍い青の光を放ち、長岡がパラソルを経由して前にでると、30分程の公演は終了する。

長岡は海、川、コンクリート、建築物、作品、ヒノキ、水、ヒグマの映像という物質を体に取り入れて変容するのではなく、それぞれの物質に自らを拡散すると いう舞踏を見せてくれた。この長岡の技に対してヒグマは映像を光と化し、吉本の作品と長岡の舞踏を徹底的に客観視した。吉本の作品は物質という概念から解 き放たれて、公演が終了しても静かに佇み続ける。人工物、自然物の相違は何かを考える公演であった。

この三者による公演は当初、2011年3月12日、佐野市文化会館で開催された「吉本義人 彫刻展」の会場で行われる筈であった。時間、場所、作品に変化 が訪れても、公演は必ず行われるのである。この事実は、我々が今後生きる上で、格段の意義が生じていると言っても過言ではあるまい。


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吉本義人彫刻展 映像ダンスパフォーマンス 2012/08/24
2011年3月5日(土曜日)映像パフォーマンス 第1部 12:00~ 第2部 15:30~ 定員25名
ヒグマ春夫(映像) 宮田糸旬子(音楽)
パフォーマンス観覧料1.000円(吉本義人彫刻展入場料を含む)
参加お申込み・お問合せは、佐野文化会館 TEL.0283-247211

Jointed Form=連態
詳細
昨年、佐野にある吉本義人さんのアトリエを訪問した。アトリエは奇麗に整理整頓されていて、さまざまの工具が目に飛び込んできた。思わずその美しさにカメ ラのシャッターを押した。気が付いて見たら100枚以上を撮っていた。再生してみると写真はいかにも硬そうだ。少し違った写真を重ねてみよう。身体が写っ ている写真を重ねてみた。無機質と有機質のバランス感覚が実に面白い結果になった。その加工された写真に、フランスのサンマロで撮った海の映像を重ねてみ た。海の映像もエフェクト画像が重なっている。二重三重の重なりが画像を複雑にする。いろんな場所で撮った映像や写真を重ねる面白さは、重ねることによっ て生み出される画像の増幅と反復にあるのかもしれない。絵を描く行為と似ているのかもしれな。ここに宮田徹也氏の文章を載せたのは、モチーフのことが書か れていたからである。言葉で表すとこんなことになるのか。今回、こうして出来上がった映像を吉本義人さんの彫刻に投影する。投影すると映像がどうなってい くかは解らない。パフォーマンスは一過性だ。現場に立ち会うしかない。同じ会場で宮田糸旬子さんはヴァイオリンで音を奏でる。彫刻・映像・音楽とのコラボ レーションである。

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<引用>・・・・「除夜舞」での公演は至ってシンプルであった。舞台を周りながらも静謐な演奏に終始した宮田、ぷちぶくろそのものの存在感のなさ、ヒグマ のぷちぶくろ内での撮影と行動。ひぐまは「内部に固執する」としながらも、至って内部と外部は通低する。それは内部と外部を逆転させる発想ではない。内部 に居ながらも外部を想起することは、外部に立っていても内部を想い起こす作業に似る。ヒグマは内部で聴くヴァイオリンの音を、映像として外部に提示したの であった。その音は宮田と我々しか聴くことができない。しかしヒグマの映像は、ヒグマ自身で撮影されながらもヒグマが見ることはできない。この多岐に亘る 発想こそ、ヒグマが常に持っている動機だということができる。ヒグマは映像を用いて、近代芸術を超克しようとしているように思える。たとえ最新の技術を投 じても、その思想が近代的であれば近代主義に陥ってしまう。その理由は二点ある。一点は映像「装置」である。ヒグマは映像を複製として使用することは、決 してない。映像が持つ物質感を持たずに「光」である習性をライトのように利用することがあっても、それをメインに据えない。それどころかヒグマは映像を映 像として用いるのではなく、今回のように音楽に、他の場合にはダンス、固定された美術作品、声にまで転換するのである。そこには直接的なイメージの転換と いうよりも、間接的な物質感の変化を想起させるのである。この間接的な物質感の変化は、ヒグマの持つモチーフが支えている。ヒグマのモチーフは「撮影」す ることと「映す」ことである。撮影されたものが映し出されるという当たり前の現象を、全く異なるものに転換する。そこにはライブ、即ちその時の実感によっ て動作が変化し、予め撮影されたものがあればそれとイメージを重ね合わせることで過去というものが現在に通じて作用する様を顕在させるのである。今回の場 合のようにライブ映像のみの場合でも、今見たこと=撮影したことがすぐさま過去になり、その過去と直ぐに対峙する即興性をヒグマは持ち合わせているのであ る。このタイムラグは、映してから映像になるゼロコンマ何秒でも発生する。それは人間が指先に触って脳が感知する時間に比べれば、相当に遅い。その間に浮 かび上がる更なるモチーフを重層化させるので、常にタイムラグが発生する点がヒグマの作品の持ち味なのだ。ヒグマの公演に現象のみを見詰めても、何も見え てこない。一つのモチーフを積み上げて一つの完成された作品を待ち侘びるのは、近代で終了すべきなのだ。モチーフにタイムラグがあり、その時間とは現在と 過去を反復しながら未来に向かい、未来はさらに過去にフェードバックする。このモチーフのあり方にこそ、現代に映像を用いる意義が生まれる。宮田は幼少か ら学んできた学習が即興を行うことで徐々に表に出てきている。そのようなあり方すらも、ヒグマのモチーフなのである。宮田徹也(日本近代美術思想史研究)

吉本義人/YOSHIMOTO Yoshihito
1946 東京に生まれる
1969 東京藝術大学彫刻科卒業
2009 「Art Session TSUKUBA」 つくば美術館 2011
2011 佐野市文化会館 個展/栃木
2012 天王洲セントラルタワー 個展/東京
   「The Mono Show」 M50 創意空間・半島1919/上海
   「館林ジャンクション-中央関東の現代美術」 群馬県立館林美術館
2013 「みる、ふれる、きくアート」 栃木県立美術館
   「KI展」 M50 Office 339/上海

長岡ゆり/NAGAOKA Yuri
モダンダンス、バレエを経て舞踏に至る。 東京を中心に、欧米などでもワークショップ、公演を継続。 ミュージシャン、美術家との即興コラボレーションも多く行っている。
舞踏カンパニーDance Medium主宰。 2011年発表作品「帰ル」で第43回舞踊批評家協会賞授賞。

ヒグマ春夫/HIGUMA Haruo
2002年映像を用いたインスタレーション「DIFFERENCE」で、第5回岡本太郎記念芸術大賞展で優秀賞。釜山ビエンナーレ2002で映像パフォー マンス。2004年「水の記憶・ヒグマ春夫の映像試論」川崎市岡本太郎美術館で個展。テヘラン現代美術館で「The Shining Sun」展。2005年府中市美術館でライブ・インスタレーション「深層風景」。2006年・2009年大地の芸術祭・越後妻有アートトリエンナーレ参 加。2010年Ombres et Iumieres展(フランス)。現在「映像パラダイムシフト」を継続中。

宮田絢子/MIYATA Ayako
1983 年東京生まれ。横浜在住。3歳よりヴァイオリンを始める。東京コンセルバトワールにて15年程ソロの研鑽を積んだ後、オーケストラに4年間所属。早稲田大 学第一文学部卒業。自宅近くにアトリエを構えていた画家・平井一男の影響や、9歳で古寺仏像にはまったことから、大学では美術史学を専攻する。 ACkid2010で初めての完全即興演奏の舞台を踏む。