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「インベンション/ミズと水」ヒグマ春夫
 
        ライブ・インスタレーションは、時・空間を共生、共有・共想する美術の文脈で捉えられる。「インヴェンション/ミズと水」は、インスタレーションとライブ・インスタレーションの二つの可能性を孕んでいら。    
   わたしには、「水」をテーマとした作品が幾つかある。その中には、「水」という漢字をデザイン処理したタイポグラフィーだったり、川に薄いアクリルミラーを立て、まわりの景色と水を融合させる試みだったり、丘にビデオモニターを何台も積み重ね、海や川の映像とリアルタイムの映像を同時に映しだす同時性だったり、水の映像をダンサーに投影するプロジェクションアートだったり、水の入った円形プールに天井から水滴を落とす落下水がある。そして、今回のように無数の水が入ったクリアカップを山のように積み重ねるレディメードの集積だったりする。他にもライフワーク的な水の採集がある。世界の水を採取し小さなビンに詰めいる。こんな一つ一つの営為は、水と人間との営みであり、いい換えれば自然をテーマにした環境問題への提示でもあり、ロゴス的芸術との共生も視野にいれ、自然をエロスとを見立てた芸術ともいえる。     
 わたしは、インスタレーションと身体表現者がコラボレーションをすることに、新たな表現の可能性を模索している。インスタレーションは、単に身体表現者の舞台美術ではなく、身体表現者の身体と等価値で捉えようとしている。そこには幾つかの理由がある。まず今回のインスタレーションを構成している要素に、水といった自然の生きた物質が組み込んでいることである。今回は、水の入ったクリアカップを使っているが、3000個近いクリアカップの中の水は生きている。人間を構成している70%〜80%は水分で出来ているということも加味して考える必要がある。    
 もう一つは、今日インスタレーションは美術の分脈として捉えることが多い。空間に展示すれば、そこで作家にとっては終わりというケースである。そんなインスタレーションの捉え方ではなく、ライブ性を組み込み絶えず・・・ing・・・進行形としてインスタレーショを考えたいと思っている。(インヴェンション/ミズと水は2005年に制作)

 

ヒグマ春夫・展/インベンション/ミズと水 2005年9月3日〜10月23日
POLARIS☆The Art Stage 身体表現者とのコラボレーションの記録は
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