数枚のデジフォトを組み合わせたコラージュみたいなものである。モノを繋ぎあわせているのだが、不思議感は益々増幅する。あえて一人の女性を被写体にし、場所や衣装を変えて撮影することにした。そこで浮かび上がってくる「皮質の記憶」を捉えようとした。
実は、この繋ぎあわせる手法は、人間の眼差しの構造に似ている。人間の眼は何かを見る時、他の被写体は無意識にしか見ていない。鏡や水面を覗き込むと分かりやすいが、鏡や水面を覗き込むと一点を集注してみている。見えているはずの他の部分は意識にはない。見えていないのではなく意識にない。試みている映像の重複視は、円形のモノに対しての無意識の眼差しの現れである。
写真をベースにした今回の展示は、インスタレーションの他に、パフォーマンスも行い、DVDで映像も映し出している。
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